この本が思ったより面白かったので書評を書きたいと思います。
まずタイトルが興味を引きますね。
「ドラえもんを本気でつくる」
みんなが大好きなあのドラえもんを作るとの事です。
果たしてそのようなことは可能なんでしょうか?
① この本を読んだ目的、狙い
タイトルで「何?」となる。
インパクトがあるタイトルですよね。
「ドラえもん?」作れるわけないじゃん。と思ったのが第一です。
しかし、「書籍になっているという事はなにかあるのか?作れるの?」となったのが興味を持ったきっかけです。
「ドラえもんを作る」とはどういう事かを知りたかった。
「ドラえもんをつくる?」ってあのドラえもん?
そんなわけないでしょうと思いながらも作っている人がいるのを知らなかった。
本屋でペラペラめくると、AIについて書かれていたから知識が深まると期待。
私のAIの知識はなんとなくの知識です。
囲碁や将棋でAIが名人に勝ってしまったというものだったり、
それこそドラクエなどのゲームで使われているAIや、
ビジネスであればビッグデータの解析や様々利用され始めている程度の知識です。
具体的に何がどうなっているかはわからなかったので勉強になると思いました。
HAIという聞いたことがない単語が出てきた為、それを知りたかった。
AIは単語としては知っていました。しかしドラえもんを作るには「HAI」が必要になるとの事。
基盤となりそうな技術について知っておきたかった為です。
やっぱり「ドラえもんを作る」が気になった。
買おうかどうか迷いました。結果的に本屋で3回本を手に取っては戻すを繰り返しました。
今となっては購入して満足しています。
書籍おすすめ度
② 読んでよかったこと、感じたこと

AIの歴史と今のAIが理解できた。
AIの定義は比較的よく変わるそうです。
一般的にはAIは「機械学習」の事を言います。特に今はディープラーニング(深層学習)が特に力を発揮している。
AIの歴史 1回目(1950〜60年代)
コンピューターが出てきた時代。
「人の知性を代替するものになると期待された」。しかし、結局「知能があるのは人間側で、コンピューターは指示通りに動いているだけ」という事でAIブームが終わる。
AIの歴史 2回目は、1980年代。
この時は、知識をひたすらコンピューターに入れ続ければ、人並みの知性を再現できるかもと期待されて時代でした。
しかし、最終的には「人間がコンピューターに知識を教え込むのは無理」だと判断されました。
これは概念を書ききる事ができない為です。
概念を書くとは、「その行動は●●だ」という事を定義づけてコンピューターに覚え込ませる事です。
しかし、これは無理でした。なぜなら例えば「歩くとは?」「食べるとは?」など概念が多数過ぎてコンピューターには判断できないとされました。
なかなか難しいですね。
AIの歴史 3回目は2010年代です。最近です。
この3回目では、いわゆるディープラーニングの技術である「自動的に知識を獲得する」事が可能となりました。
この3回目が注目されたのは、「画像認識技術」が登場したからです。
これによりグーグルが開発したコンピューターでは「猫」を自動的に認識したそうです。
ただしまだまだ問題もあります。
例えば、「泣いている人は慰めよう」と教えても、嬉し泣きには当てはまりません。人の感情は複雑なので、それをコンピューターに教えるのは困難との事です。
また、「人には親切にしましょう」という事をコンピューターに教えたとします。
この文字だけ見ると「何が駄目なの?」と思いますが、悪い人や犯罪者にも親切にしてしまいます。
コンピューターの判断軸は人かどうかですから。
これを判断できるようにならないと普及は難しいかもとの事です。
・HAIというものの存在が理解できた。
人と深くかかわるためのAI技術の事。
今のディープラーニングは人と関わるのが苦手。ドラえもんは人と関わるロボットなので、人とのかかわりが不可欠。
だから人と深くかかわる技術が必要となり、それがHAIとなる。
HALは弱いロボットとイメージしてください。
ゴミ捨てロボットができたらいいですよね?
しかし、今のAI技術では、難しのが現状です。
「何がゴミか?」を定義する事。また仮に完成しても、「子供に邪魔されたり、いたずら」によってうまく作動しない可能性があります。
一方で、HALは人間に手伝ってもらう事でごみ捨てを完結させます。
イメージしてほしいのは各家庭にあるゴミ箱が、困っている様子です。(わかりづらいかな)。
ゴミを持っている人が、HAIを用いたゴミ箱に捨ててもらう事を行います。
人とHAIが協力してごみ捨てを完結させる。
HAIが人と深くかかわるAIという事がこの本でイメージできました。

・ドラえもんはみんなが考えるドラえもんでないといけない。
定義には2つある。
機能要件集合・・・機能の要件を一つ一つ定義していく方法。
ドラえもんは・・・「人と会話ができる」「ひみつの道具を持っている」「四次元ポケットがある」「未来からきた」を満たしているドラえもん。
社会的承認・・・みんなが認めてくれたもの。
タイムマシンとか四次元ポケットは無理だけど、困った時に支えてくれるロボットがあったら、みんなドラえもんと認めてくれるドラえもん。
だからこの本で言うドラえもんは支えてくれるドラえもんの事を言っています。
コミュニケーションは「ドララ」でできる。
HAIのコア技術は「他者モデル」を想定させる事。
他者モデルとは、他者の中に心を想定する事。
他者モデルができる事により、下記ができるようになります。
- 感情がわかる
- 失敗が許せる
- はじめて見る相手でも行動を予測できる
また、会話においてはちゃんとした言葉でなくても「会話は成立します。」
例えであったのが、ドラえもんの小型版のロボットで「ミニドラ」というのがいるそうですが、このミニドラは「ドララ」しか喋りません。
しかし会話が成立します。
想像してほしいのは、「人間とペット」の関係です。
ペットは「ワン」「ニャン」しか話ができませんが、ちゃんと会話したようになってますよね。
これをロボットに応用しようとしています。
ちゃんとしゃべるロボットができても、自分が思ったことと別の事をしゃべると人間は「イラッ」とするみたいです。
だからソフトバンクのペッパー君やappleのsiriに話しかけて、変な答えが帰ってくると、みんな使わなくなってしまいます。

それだと人を支えるドラえもんとして成立しないので、「ドララ」しか話ができないロボットとで、話しかけている人に補ってもらいます。
これにより「イラッと」する事なく、コミュニケーションが成立します。
だから「ドララ」って大事ですね。
夢と仲間の大事さ。
「ドラえもんを作る」。
壮大な夢です。
作者の大澤さんは小さい頃から「ドラえもんを作る事」が夢で、それに向けて勉強しています。
またドラえもんを作るにあたり一人では無理なので、この夢に賛同する様々な技術の仲間と協業して作業をすすめています。
これってすごくいいですよね。
会社でもよくミッションや社会貢献という名の「言葉」がありますが、それに向けて本当に動いている人間はごく一部です。
青臭く泥臭い人間の集まりが最先端の技術のドラえもんを作る。
この最高の矛盾を実現させる「夢と仲間の大事さ」は勉強になります。
③ この本を読んで、自分は今から何をするか

AIやテクノロジーの書籍を定期的に読む。
難しい技術や専門的な技術はわかりませんが、テクノロジーの知識はこれからも必要になるので、定期的に勉強していきます。
仕組みを理解する事が、本質につながる事になるので面倒くさがらずに勉強致します。
昨年もこの本を購入して読んでいました。
夢の再定義を行う。
作者の大澤さんは「ドラえもんを作る」という壮大な夢の実現の為に動いています。
私の夢は何?
もう一度再定義致します。
当初は、このブログで月5万円稼ぐという夢がありましたが、このまま5万円でいくか、上限させるか?
また別に社会貢献なども考えた方がいいか検討致します。
ブログに活かしていく。
最新のAIやHAIを用いるのは流石に難しいので、
ブログに関する最新情報を常にキャッチするようにします。
その中で新しいプラグインや画像編集ソフトの技術取得など、観てもらいやすいブログ作りの為に勉強をしていきます。
まとめ
書籍おすすめ度
この本を読むと「ドラえもんができそうな気がします。」
それに対し私達ができる事は少なそうですが、このドラえもんを作るという夢に対する考え方や技術の応用方法は私達にも活かせる部分かと思います。
先程「③ この本を読んで、自分は今から何をするか」では私の場合だったら「こうする」というのをまとめてみました。
みなさんもできる範囲で活かしていってください。
そこまで難しく考えないでも、普通にドラえもんを作る為の本として読んでも楽しくて納得できる一冊となっています。
一緒にドラえもんを作りの応援をしましょう!
※令和2年に発売に話題になったドラえもん0巻です。
※私が2020年に読んだ書籍一覧はこちらです。是非見てください!
https://l-spiral.com/book_movies202001/